うつ病の経過
2014/06/13更新
うつ病がどのように発症し回復していくのか。その経過を紹介します。
うつ病はある日突然現れ、悪化していく
うつの症状は比較的急に現れます。気分の落ち込みなどの精神症状と不眠や食欲不振などの身体症状が現れます。これが2週間以内に治るのではあれば一時的なうつ気分であり、うつ病ではないでしょう。しかし、2週間以上続くようならうつ病の可能性が高くなってきます。
やがてどの症状も悪化していきます。体が重くなり、行動を起こせなくなります。悲観的な考えをするようになり、自殺を考えるようにもなってしまいます。
こうしたうつの症状は時間とともに良くなっていくことが多いのですが、再発することも多くあります。ストレスなどのきっかけにより数ヶ月で再発する人もいれば、数十年単位で再発する人もいます。
1日のなかでも気分の変動がある
うつの症状は1日の間でも変動します。うつ病の場合は起床から午前中にかけて症状が重く、午後になると気分が良くなってきます。
一般的なうつ病の進行の仕方
一般的なうつ病の進行の仕方を紹介します。
- 倦怠感や疲れがとれない、体のだるさといった身体症状。
- 不眠。
- イライラや不安、不安や怒りといった精神症状。
- 集中力の低下、人を避ける、仕事に行きたくなくなるなどといった社会活動性の低下。
- 無力感、自責感、自殺念慮(自殺したいという考えが起こること)。
うつ病の進行の仕方は人それぞれですので、必ずしも上記の順番通りに現れるとは限りません。
気分の変化の推移
うつ病の典型的な気分の推移を次に示します。それぞれの期間は人それぞれです。数週間の人もいれば数ヶ月続くこともあります。
1.うつ症状の訴え
倦怠感、不眠、食欲が無い、口の乾きといった身体症状や、イライラや不満といった精神症状が現れます。
それまで好きだったことに興味がなくなったり、楽しめなくなったりします。気力が低下し、生活に乱れが出てきます。
できるだけ早く症状に気づき、休養をする必要があります。
2.症状が悪化する
気分の落ち込みが激しくなり、ぼんやりすることが多くなります。テレビや映画、雑誌や本など外からの刺激に対しても無感動になります。
自分が無価値な人間と感じたり、自分を責めることが多くなります。身体症状が強くなり、簡単な仕事さえできなくなってきます。
3.最も重症な時期で行動が起こせなくなる
何の行動も起こせなくなり、人に助けを求めることすらできません。
精神的な苦痛がひどく、自殺願望が起こりますが、自殺をする行動力さえ湧きません。
4.回復のきざし
休養の効果が出てきて回復のきざしが見えてきます。
しかし、気分の変動が激しく、すこし元気な時もあれば深く落ち込む時もあります。
行動を起こす気力が出てくるため、かえって自殺の危険性が高まってしまいます。
5.良くなりたいという願望が出てくる
ものごとを楽しめる感覚が戻ってきます。治りたいという気持ちも現れ始めます。調子が良い時は自信もでてきます。
身体症状も軽くなりますが、疲れやすいので、無理は禁物です。仕事の再開はまだ控える必要がある時期です。