うつ病の症状
2014/02/20更新
うつ病の特徴的な症状は「抑うつ気分」と「興味や喜びの喪失」の2つです。
抑うつ気分
気分がひどく落ち込み憂うつになる症状です。どんなことも全くおもしろく感じません。
しかし、悲しくて泣くわけでもありません。悲しみは人間的な感情です。うつ病ではそのような感情さえも低下しています。
- わけもなく涙が出てくる
- 目の前が真っ暗になったような気がして体が前に進まない
- 絶望感、強烈な虚無感
など
興味や喜びの喪失
何事に対しても意欲がわきません。仕事や家事、勉強はもちろんのこと、食事や入浴といった人間的な行動さえできなくなります。
- 何をやっても楽しくない
- 何かをやろうとする気も起きない
- 好きで見ていたテレビも面白く感じない
- 好きだったはずの趣味をやめてしまう
など
これらは典型的なうつ病の症状です。
気分の落ち込みは誰にでもあります。しかし、うつ病の人は、仕事や家事などの行動ができなくなるほど落ち込み、極度に悲観的になっていて、自己否定的な気持ちが非常に強くなります。そして、うつ病にかかると、こうした激しい気持ちの落ち込みが2週間以上続きます。
私も、「もう生きていくのが嫌だ」と思ったり、好きだった趣味も楽しくなくなった経験があります。それが”異常なこととは思わなかった”こと自体、かなり重い症状だったのだなと今では冷静に思えます。
その他の症状
- 眠れない、熟眠できないなどの不眠
- 食欲が無い
- 疲れやすい
- 動きがにぶい
- 自分を責める
- 集中できない
- 死んでしまいたいと思う
うつ病の症状は気持ちだけでなく、体調面にも現れます。特にほとんどの場合、不眠が現れます。不眠には入眠障害、中途覚醒、熟眠障害、早朝覚醒といった種類があります。眠れないだけが不眠ではないので、どんなタイプの不眠が現れるか知っておくとよいでしょう。=>不眠症について
うつ病と日常のうつ気分との違い
日常のうつ気分は誰にでも現れるものです。しかし、うつ病のものとは明らかに違いがあります。次に、うつ病と日常的なうつ気分との違いをあげます。
うつの強さ
うつ病ではずっしりと重石が乗ったような、目の前がまっくらになったかのような強い気分の落ち込みがあります。日常的なうつ気分よりはるかに強いものです。
日常生活への影響
うつ病の場合、その症状により、夜眠れない朝起きれない、何も食べたくないなど日常生活にも影響がでてきます。日常的なうつ気分の場合はそこまで影響はされません。
仕事・趣味
うつ病の場合、仕事や趣味が全く手につきません。日常的なうつ気分の場合は仕事や趣味をすることで気が紛れることがあります。
良いことがあったとき
うつ病の場合は何か良いことがあっても気分は晴れません。日常的なうつ気分の場合は何か良いことがあれば少し気が晴れます。
きっかけ
日常的なうつ気分の場合、そのきっかけははっきりしています。うつ病の場合、そのきっかけははっきりしていません。
妄想の強さ
うつ病の場合、妄想的になり非現実的になります。周囲からみても理解できない言動も見受けられます。日常的なうつ気分の場合は、多少妄想的になっても現実からずれることはありません。
自殺の危険
うつ病の人は自殺の恐れがあります。自殺企図(自殺を図る)や自殺念慮(自殺したいと思う)がみられます。日常的なうつ気分の場合、そこまでは思い悩みません。
期間
うつ病の場合そのうつ気分は長く続きます。日常的なうつ気分の場合は時間の経過とともに徐々に軽くなっていきます。
薬
うつ病の場合、抗うつ薬がよく効きます。日常的なうつ気分の場合、抗うつ薬は効きません。
うつ病の特徴的な症状
うつ病の特徴的な症状を紹介します。
午前中の調子が悪い
朝早く目覚めたる、朝刊やテレビを見る気がしない、出勤の身支度が大変といった朝の不調がみられます。
朝の気分がとても憂うつで、何とか出勤しても、午前中は全くと言っていいほど仕事ができません。
昼過ぎから夕方になると多少気分がよくなります。
仕事ができない
午前中を中心に仕事に対する気力がわきません。不安でイライラしたり、根気が続かなかったりします。また、何事も決定できず、考えがまとまりません。
なんとも言えない寂しさ
人と会うのが億劫になる反面、誰かにそばに居てもらいたいという気持ちがあります。涙もろくなり、いっそ消えてしまいたいと思うようになります。
興味の消失
以前好きだったことに興味がなくなったり、趣味をやめてしまったりします。非定型うつや新型うつでは好きなことには取り込めたりします。
身体に不調が現れる
疲れやすい、だるい、頭痛、口が乾くといった身体の不調が現れます。睡眠の面では、なかなか眠れない(入眠障害)、眠った気がしない(熟眠障害)、朝早く起きてしまう(早朝覚醒)といった不眠症が現れます。
見逃さないで!うつ病のサイン
うつ病の方は自ら「うつ病かも知れない」とは言いません。自分がうつ病だと分かっていない人が多いです。うつで悩んでも、過労からくる一時的なものだろう、少し休めば良くなるだろうと見逃してしまいがちです。
うつ病サインが見えましたらまわりの方はサポートしてあげてください。
うつ病のサイン
- 仕事や家事がたまる
- 飲酒の量が増える
- 口数が減る
- 外見を気にしなくなる
サインが見えたら・・・受診を勧めてください。
うつ病にかかっている本人は進んで病院に行こうとはしません。
医師から診断されることにより、不安が解消されるケースもあります。
こちらもご活用ください。=>うつ病チェック
子どものうつ病が気になる方へ(外部サイト)
子どものうつ病 自己診断テスト
大人の方もどうぞお試しください。