仮面うつ病

仮面うつ病とは

2014/06/18更新

 仮面うつ病とは身体的な病気に見えるうつ病のことです。身体的な症状が目立って、うつ病を見過ごし、違う病気と診断してしまうことが問題となっています。

 

 身体的な症状がうつの精神症状をマスクしている病態なので、この名前がついています。うつ病の患者が仮面のように無表情だという意味ではありません。本当はうつ病なのに身体的な病気のような仮面をつけて分かりにくいという意味です。

 

 

誤診されることが多い現状

 うつ病の人は自分がうつ病にかかっているとは気づきにくいものです。ですから、身体症状が現れると体の病気を疑って、内科などを受診します。
 ところが本当はうつ病なのでいろいろな検査をしても異常は見つかりません。医師が心の病に詳しければうつ病に気づくこともありますが、そうでない場合は現れている症状だけで診断をくだしてしまいがちです。

 

うつ病であらわれる身体症状

 不眠、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、しびれ、口の渇き、息苦しさ、食欲不振、便秘・下痢、頻尿、倦怠感など

 

誤診されやすい病気

 低血圧症、不眠症、心臓神経症、胃下垂、便秘症、脳動脈硬化症、眼精疲労、メニエール病、更年期障害など

【体験談】仮面うつ病の克服

 ある仮面うつ病を克服した方の体験談です。

 うつ病はうつ病でも身体的な症状が前面的に出てくるものを仮面うつ病といいます。仮面うつ病は隠れ鬱とも言われていて、目立つ身体症状に精神症状が隠れるため、自分も医師もうつ病に気づかないことが多いのが特徴です。

 

 私も一時はこの仮面うつ病の症状が出ていて精神的にも身体的にもとてもつらい時期がありました。うつ病は精神的な症状ばかりがクローズアップされていますが、実はそれに伴う身体的な症状も深刻な問題とされています。例えば、頭痛やめまい、動悸や息切れなどです。仮面うつ病では、うつ病とは何の関係もなさそうな身体的な症状が目立つので、内科やその他の診療科を受診するのですが、原因不明と診断されてしまいます。そして、ようやく行き着いた精神科で初めて鬱がその原因だったとわかることがよくあるのだそうです。

 

 私も最初のころは毎日のようにだるさが続き、次いでめまいや頭痛が頻繁に起こるようになってきました。ただ疲れているだけだと自分に言い聞かせて病院に行くのをためらっていたのですが、ある日、友人の勧めで病院に行くことにしたのです。そして、ご多分に漏れず私も内科などを経た後、精神科にて仮面うつ病と診断されました。

 

 私の場合はその病院で専門的な治療を行うことで仮面うつ病を克服することができました。仮面うつ病の治療では、普通のうつ病同様、まずは休養させることから始まり、同時に抗うつ剤を処方していきます。大抵の場合は抗うつ剤を飲むことで症状は改善され、その後薬を少しずつ減らしていくことで克服を狙います。

 

 私はこの方法で仮面うつ病を克服したのですが、中には薬にほとんど頼らずに克服できたという人もいるようです。そのほとんどが食事内容、生活習慣の改善を行っていて、ストレスの軽減を図っているようでした。それほど症状はひどくないという人は、生活習慣の改善で効果が期待できるのかもしれません。いずれにせよ、医師と相談しながら、自分にあった克服方法を探していくことが大切なのだと思います。

 

 

うつ病の診断や治療は専門の医療機関にてお受けください。→うつ病を診察してもらう病院や相談窓口