うつ病の診断、症状、原因、治療

うつ病のメカニズム

2013/04/14更新

 脳の中には、ニューロンと呼ばれる神経細胞がはりめぐらされていて、神経細胞と神経細胞の連接部をシナプスといいます。シナプスを介して情報を伝えているものを「神経伝達物質」といい、その中でもセロトニンやノルアドレナリンという神経伝達物質が感情調整に関わっています。セロトニンやノルアドレナリンが十分に働いてないと、うつ状態になり、うつ病の原因となります。

 

 うつ病にかかると、気力が衰え、何をしても回復しない状態になります。脳に異常が起きているので、本人の努力だけでは解決は難しいです。脳内物質のセロトニンが減り、情報伝達機能に不具合が生じています。医師の診断のもと、正しい治療をしていく必要があります。

 

 

ストレスがうつ病を引き起こす

 職場や家庭での人間関係や過重労働、重大な責任など負担になるものをストレッサー(ストレス要因)と呼びます。ストレッサーに直面したときに、本人にとって負担となれば、その負荷の大きさや性質、苦痛の程度などが大脳皮質(脳の表面の部分)で評価されます。その情報は大脳辺縁系に伝達され、脳内の神経伝達物質により不安、怒り、悲しみなどの感情を引き起こします。これには個人差があり、同じストレッサーでも負の感情を生みだす人もいれば、そうならない人もいます。
 上述したとおり、神経伝達物質の生成や伝達が障害されていると、うつ病などを引き起こします。しかし、なぜ神経伝達物質の働きが悪くなるのかはまだ解明されていません。

 

 自律神経系の中枢は視床下部というところにあります。ストレス状態になると視床下部の神経細胞が活性化され、自律神経系が乱れ、体調が悪くなります。
 感情の中枢である大脳辺縁系は視床下部と場所が近く、多くの神経が繋がっています。強い不安を感じているときや抑うつ気分のときに、食欲がなくなったりするのは、感情と自律神経系が密接に繋がっているためとされています。

 

 

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