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ストレスコーピング

2014/10/31更新

 ストレスコーピングとは、ストレスに対処するための行動のことです。
 大きく情動焦点型コーピングと問題焦点型コーピングに分かれます、

 

情動焦点型コーピング

 情動焦点型コーピングとは、ストレスによって引き起こされた反応(ストレス反応)を抑えるための対処です。
 ストレス反応には、怒りや不安、イライラといった感情や、筋肉の緊張や心拍の増加、血圧上昇といった身体の変化があります。
 情動焦点型コーピングには次のようなものがあります。

  • リラクセーション
  • アロマテラピー
  • 有酸素運動

 情動的な興奮に対しては筋弛緩法自律訓練法などのリラクセーションが有効で、身体的な興奮にはジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が有効です。
 短距離やウェイトトレーニングといった無酸素運動は、ストレス物質とも呼ばれるコルチゾールの消費には有効ではありませんので、正しいストレスコーピングにはならないでしょう。

 

問題焦点型コーピング

 問題焦点型コーピングとは、ストレスの要因を取り除こうとする対処です。悩みの原因を取り除いたり、受けた刺激の耐性をつけたりするなどがあります。
 具体的な問題焦点型コーピングには次のようなものがあります。

  • 面倒な仕事、嫌な仕事を早く片付ける。
  • あれこれ悩まずに思い切ってやってみる。
  • すぐに嫌だと思わずに、良い面に目を向ける。
  • 過度な期待をしないようにする。
  • 生活リズムを整え、心身ともに強固にする。

 

 

情動焦点型と問題焦点型をバランスよく

 さまざまなコーピング方法があり、個人によって有効なコーピングは変わってくるものです。

 

 何か仕事で嫌なことがあった時に、飲酒をするのも情動焦点型コーピングの1つといえます。たまにはリラックスして人との会話を楽しむのもよいでしょう。しかし、お酒ばかりに頼るようになると、アルコール依存症になってしまいます。そして、いつまでも飲酒で憂さを晴らしてばかりでは、いつまでたっても根本解決はできません。

 

 情動焦点型コーピングと問題焦点型コーピングはバランスよく使い分けましょう。
 例えば、通勤するのがつらいといった問題は簡単には取り除けるものではありません。つらくても続けなくてはいけません。ストレス要因の内容に合わせてコーピング方法を変えていくことも大切です。
 また、いつまでも情動焦点型に頼っていると問題は解決しませんし、逆に何でも問題焦点型で解決しようとすると頑張り過ぎで疲れ果ててしまいます。基本的には問題焦点型で対処し、それが難しいと思ったり、少し疲れを感じたりしたら情動焦点型で対処してみてはいかがでしょう。問題焦点型の冷静なコーピングをする前に、情動焦点型でリラックスすることもよいコーピングです。

ストレス発生の経過を基準としたコーピング

 ストレス発生の経過に応じて、コーピングの方法を変えるという考え方もあります。

 

ストレス発生の経過 対応するコーピング
刺激の発生 刺激の発生の阻止や予防的措置。(配置転換、生活習慣改善など)
認知的評価(出来事を嫌だと感じて、刺激がストレッサーに変わる) 受け取り方を変える。認知を変える。(完璧を求めない、前向きに考えるなど)
情動的興奮(イライラ、怒り、不安、恐怖、焦燥感など) 感情や気分を鎮める。(アロマテラピー、瞑想など)
身体的興奮(心拍数上昇、筋緊張、血圧上昇など) 身体の興奮を鎮める。(有酸素運動、リラクセーションなど)

 

 

うつ病の診断や治療は専門の医療機関にてお受けください。→うつ病を診察してもらう病院や相談窓口

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