管理職のプレッシャーでうつ病になった
2014/12/09更新
Cさんは生真面目な性格で、仕事に一生懸命取り組む技術者でした。
そうした直向きさが評価され、Cさんは若くして課長に抜擢されました。
最初は喜んだものの、実際に管理職としての仕事が始まると、一筋縄ではいかないことが多く起こりました。
管理職なので、基本的に部下に仕事を任せなくてはいけません。しかし、Cさんは不安でたまらず、ついつい実務にタッチしていました。
それでも仕事がある程度の量だったので問題はなかったのですが、ある時期から仕事が増えてくると、部下だけではこなせず、Cさんもべったり実務をせざるを得ない状況になってしまいました。管理の仕事が十分にしてこなかったため、人を上手に使えなかったり、業務プロセス改善をできなかったCさん。そのつけがこのような状況で回ってきてしまいました。
形式上の管理の仕事と、技術的な実務の仕事。この両方をこなさなくてはならず、残業は増え、休日出勤も多くなりました。
家庭からはもう少し何とかならないのかと不満を言われ、上司からは「残業を少なくするのは君の仕事だ」と言われます。ある日、部下のちょっとしたミスを指摘したところ、同じく忙しくしていた部下から「あなたのお手柄のために仕事をしているんじゃない」と強く反発されてしまいました。部下からは、Cさんが会社に気に入られようと仕事を増やしていると映ったのでしょう。
Cさんは袋小路に追い詰められた気持ちになりました。
ある朝、神経の糸がぷつっと切れたように、目の前には絶望しかないような感情が広がり、立ち上がることすらできなくなってしまいました。
その日は臨時休暇をとったCさんですが、それからも何回も急な休暇をとるようになりました。
Cさんの妻は、病院にいくよう勧めました。医師で受診したところ、うつ病と診断され、会社は休職するよう告げられました。会社側もCさんの休職を受け入れ、Cさんの代理には別の人を使うようにしました。
Cさんは10ヶ月ほど休職しました。その間、十分な休養と薬による治療で元気になりました。
会社に戻っても、Cさんが管理職に戻ることはありませんでした。Cさんもそれは覚悟の上でしたし、自らもそのほうが良いと思ったので、今では精力的に仕事に取り組むようになっています。
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