アルコール依存症とうつ病を併発した
2014/12/09更新
Bさんは、独自のコンテンツを提供するIT企業のエンジニアです。
ざっくりとしたBさんの業務内容は、コンテンツ原稿を受け取り、それをユーザーに分かりやすい形でWebサービスとして届けるというものです。
コンテンツ原稿のできあがりが遅い時間になったときは、Bさんはそこから本格的な仕事が始まることになります。Bさんの帰宅時間が0時過ぎになってしまうことも少なくありませんでした。
それでもフレックス制だったので、お昼ごろ出社してもよく、わりと睡眠時間はとれていました。
ところが、会社の経営陣に変化があり、お堅い企業から門外漢の取締役が来てからは、会社の状況が一変しました。特に「これでは時差出勤と変わらないではないか!」と主張した取締役の一言によりフレックスが廃止になったことは、Bさんにとって大きな打撃でした。
Bさんは仕事が遅くなっても、朝早く出社しなければならず、会社に対して理不尽な思いを持つようになりました。
早く寝なければいけないと思いながらもイライラして寝付けないので、次第にナイトキャップ(寝酒)をするようになりました。
割りと効果はあったのですが、だんだん量を増やしていかないと寝付けないようになり、寝付けても3時間くらいで目が覚めてしまうようになってしまいました。
睡眠不足のまま、出社する状況が続き、Bさんは仕事に集中できなかったり、感情の起伏が激しくなったり、突然襲ってくる眠気を抑えられず会議中に寝てしまったりするようになってしまいました。
上司には叱られ、効率低下により勤務時間は長くなり、どんどんBさんは追い込まれていきました。
そんなBさんの心の拠り所はお酒でした。以前は寝酒だけだったのですが、帰宅後はずっと酒を飲むようになり、たまの休日も夕方頃起きてずっとお酒を飲むような生活になってしまいました。
さらに悪いことに、Bさんはお酒をやめられない自分を責め、仕事もうまくいってないし、自分をダメな奴だと思い込むようになってしまいました。
こんな状況をたまたま様子を見に来た、Bさんの母親にみつけました。Bさんの母親はBさんに事情を聞き、医師に相談するように勧めました。
医師はBさんをアルコール依存症と診断しました。さらに、うつ病の症状も見られると告げました。Bさんは会社に休職願いを出し、しばらく養生することになりました。
Bさんはアルコール依存症の治療をしつつ、抗うつ薬による治療も続けました。その間、Bさんの母親は会社に対して、こうなった原因は会社側にもあると、業務や勤務体制を改善するよう強く訴えました。
10ヶ月後、Bさんは治療を終え、会社に復帰しました。Bさんの母親の訴えもあり、会社側も柔軟な勤務体制を考え、Bさんなど、勤務時間が不規則になりそうな人たちにはフレックスを認めるようになりました。
Bさんは以前と変わらないように仕事をするようになり、健康に毎日を送れるようになりました。
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