うつ病の診断、症状、原因、治療

自殺を予防する

2013/04/10更新

 自殺の予防は、うつ病の家族の方や周りの方にとって、もっともクリティカルな問題です。自殺のサインが出ていないか注意して、自殺を未然に予防しましょう。
 自殺者は毎年3万人ほど出ています。その4割~6割がうつ病であったと推計されています。
 意外ですが、うつ病の症状が軽めの人や、症状の回復期に自殺の危険が高いのです。症状が重い時は、自殺願望があっても、自殺する気力さえ起きないのです。回復期は、気力や体力が戻り、絶望感や不安感が残っているので自殺してしまうことがあります。

 

自殺のサイン

 自殺のサインには次のようなものがあります。

  • 口数が減る。
  • 落ち着きがなくなる。
  • 何事にも関心がなくなる。
  • 人との接触を避ける。
  • 私物の整理を始める。
  • 貴重品を人に譲る。
  • ナイフやロープを買い求める。
  • 旅支度を始める。
  • 遺書を書く。

 

自殺を防ぐ方法

 自殺のサインを見つけたら、放っておかず、きちんと対処しましょう。
 自殺を防ぐ方法には次のようなものがあります。

  • 本人の死にたい気持ちを受け止めて、よく話を聴く。
  • 救いの手を用意していると告げる。
  • 自殺しないことを約束させる。
  • 薬の管理をする。必要以上に飲ませない様にする。
  • 薬以外でも自殺の手段になるものは目の届かない所にしまう。
  • 一人にしない。

 

 私もうつ病の時期、ロープを買おうとしていました。周りの人が止めて、話を聞いてくれたお陰で、今があると思います。周りの人は、注意して見守ってください。

 

 

自殺者数のデータ

 警視庁の統計によると、日本における自殺者数は、1998年に急増し、2011年まで14年連続で30000人を超えていました。

 

 2012年は27858人となり30000人を下回りましたが、それでも1997年よりはずっと上です。また、被雇用者・勤め人の自殺者数は2012年で7421人で、全体の26.6%です。

 

 自殺の原因はさまざまで複数の要因がからんでいることがほとんどですが、大半の例では心の健康面に問題があると指摘されています。仕事などのストレスでうつ病を発症し、自殺に至った例も少なくないといえます。

 

 こういった事態に、2006年には自殺対策基本法が制定され、2007年には自殺総合対策大綱が策定されました。国、そして自治体が企業や事業所に対して、労働者の心の健康のケアをするよう働きかけています。

 

 

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