うつ病と休職
2014/02/18更新
うつ病と診断されてから休職までの流れ、休職中の過ごし方、復職のポイントなどを紹介します。
うつ病と診断されたら
うつ病と診断されたら、休暇が必要となることもあるでしょう。
その場合の勤務先への伝え方のポイントを紹介します。伝え方はケースバイケースです。通院しながら通勤でき、業務に影響がないのであれば、伝えなくても良いでしょう。しかし、休職が必要な場合は、上司にはっきりと伝えましょう。その際は次のようなことを伝えると良いでしょう。
1.健康状態の報告。何の病気なのか、どのような症状が出ているのか報告します。
2.説明する内容。細かなこと全てを話す必要はありません。診断書を持参して説明します。説明する内容は、医師や家族と相談して決めましょう。
3.休職期間。どのくらいの期間か、病気の程度を考慮して話しあいましょう。仕事も気になりますが、体を優先して期間を決めましょう。
4.機密。上司との間で、他の同僚への伝え方を相談します。病気や家庭環境など、情報管理を徹底しましょう。
うつ病で休職する際の準備
うつ病で休職する際の準備のポイントを説明します。
休職の罪悪感を感じないようにする
休むことで同僚に迷惑がかかると考えると、罪悪感で休み辛くなりまし、職場に戻りづらくなります。また、休むことで居場所がなくなると不安になることもあります。ここは「復帰したら仮を返せばいい」くらいの気持ちで考えればいいでしょう。休養中の焦りは禁物です。うつ病はエネルギーが枯渇している状態です。休養をしっかり取ってエネルギーを蓄えましょう。
各種手続き
気力が残っているならば、本人が給与保証などの手続きをしましょう。そうでなければ、家族が協力しましょう。勤務先とのやり取りでは、感情的にならないように、落ち着いて話をしましょう。職場とは連絡する窓口を決めておくとよいでしょう。
うつ病での休職中に気をつけたいこと
うつ病で休職している時に気をつけたいことを、本人側、職場側に分けて紹介します。
本人側
- しっかり静養すること。徐々に気力と体力が戻ってきます。
- 治療をがんばろうとしない。焦るとそれがストレスになります。
- 生活のリズムが乱れないようにする。
- 気力や体力が回復したら、必要に応じて、行動療法や生活改善を行う。(医師と相談しながら)
- 無理に復職しない。休んでいる間に、焦りからではなく退屈して働きたくなったらというのも復職する一つの目安になります。復職する際は医師とよく相談する。
職場側
- 休職中も連絡を取り合う。急かせるようなことは言わない。
- 休職についての周知を徹底し、誤解や動揺を招かないこと。
- 休職の理由を探ったり、うわさ話を広めないようにすること。
うつ病による休職の労災や傷病手当金について
休職中の給与を保証するための制度を紹介します。確認しておきましょう。
有給休暇
軽症で数日から1週間程度の欠勤なら、有給休暇を消化し、給与の全額を受け取ることができます。
労災保険
うつ病の原因が業務にあると考えられる場合は、労災の認定が降りれば、給与の満額がもらえます。
傷病手当金
健康保険組合から支給される手当金です。給与の3分の2を受け取れます。
うつ病から復職する際のポイント
復職のポイントを説明します。
復職直前
まず、復職にむけてコンディションを整えていきましょう。そのためのポイントは次のとおりです。
- 規則正しい生活をして、起床時間と就寝時間を一定にする。起きる時間は職場の始業時間に合わせる。
- 体力をつけるために、ウォーキングなどを行う。
- 文書作りの練習のために、図書館や喫茶店などに通って、新聞や書籍の内容をまとめたりする。
復職してから
本人は気力・体力が回復して、大丈夫だと思っていても、やはり仕事の勘は早々に戻るものではありません。ですから、職場側は、徐々に慣らして、元の仕事に戻れるような準備を整えることが大切です。そのポイントは次のとおりです。
- 仕事の量を減らしたり、勤務時間を短くしたりする。
- 本人に無理のない仕事から始めさせるなど、保護的に扱う。
- 復帰後の様子を見ながら、慣れるまでフォローする。
- 再発した場合の対応を考えておく。
リワークプログラムを利用する
地域障害者職業センターや一部の精神科医療機関では、リワークプログラムを構築しているところがあります。自己管理やコミュニケーション、基礎体力向上といったことを目的に、個人やグループで取り組むプログラムが実施されます。
全ての人に必要なわけではありません。復職に対しての不安が強い人は、不安を和らげてくれる効果がありますので、おすすめです。また、以前復職に失敗した人にもリワークプログラムは適しています。
リワークプログラムでは、オフィスワーク、軽い運動、認知行動療法、復職を目的とした作業療法、リハビリテーション、グループミーティングなどが行われます。
リワークプログラムを受けた人たちは復職後の状況が良好である傾向にあります。